つづきです(^-^)。
さて、宴もたけなわ、でも、ビールもいいけど、やっぱハンマーでしょってことで工房に移動します。今回のマエストロの来日に関わっていて、かつ3人のホームステイ先でもあるYさんの工房です。旅館のマイクロバスで大移動。関係ないんですが、このマキノ(ちなみに日本ではニセコと並んで2つしかないカタカナ都市)という町は琵琶湖の湖畔でリゾート地、なかなか気持ち良いとこです(^-^)。道路から1本入って、ぴゅーっと細いあぜ道を行くと。目の前に高架で電車が通っていますが、なんとそこは完全なる山!町からすぐなのに山!杉の木の山!素晴らしい環境です。しかも隣はお寺。屋根の上では、お猿さんが2匹、同じ方向を向いた姿勢でぴったり抱き合って、気だるそうにこちらを見下ろしています。よく、鹿だのイノシシだが訪問してくるそうです。一人でも寂しくないね(^o^)。
せっかくの機会なので、もっとも初歩的ながら、もっとも重要なことがら(ハンマーの握り方とか)をあれこれレクチャーしてくれます。マエストロがドイツ語でしゃべり、まあまあ英語がしゃべれるクリストフが英語に訳し、ドイツ語が少しわかって日本語がなんとなくわかるアメリカ人のヘンリーと、ちょっぴりのドイツ語とまあまあの日本語がわかって英語がしゃべれる中国人のウェインの2人がへんてこりんな日本語に訳し、ちょっぴり英語のわかる私がこなれた日本語にしてみんなに伝えます。伝言ゲームっぷりがなかなか愉快でした(^o^)。
箸(つかみ箸)だのタガネだの道具を自分で作る時の材料だの、それら形の機能性についてとか教えてくれました。「相槌(あいづち)」も少しだけ見せてくれます。マエストロが「かーんかーんかーん(=さあ、いくぞ)」ハンマーでアンビルを空打ちします。叩くべき位置と力をハンマーで示します。するとクリストフが大槌で「ごんごんごん」とマエストロと替わりばんこに打ちます。違う体勢(材料をひっくり返すとか)の時は、また空打ちします。クリストフもそれにならいます。つまり、鍛冶屋は言葉が通じなくとも、一緒に仕事をすれば鍛冶屋の言葉(=ハンマーの音)を理解するようになるのです。上手な人が鉄を叩くと、いつまでも鉄は赤いままだといいますが、その秘訣も教えてくれます。手前から向こうに叩くのです。そして、重要なのは、1ヒット、1プロセス(=1回ハンマーを振るごとに、例えば1発で曲げ終えるとか)。1回の火(=赤める)で1つの加工をやり終えなさいといいます(例えば葉っぱを1枚作っちゃう!)。お金を稼ぎたいのだから無駄はするな(燃料=お金、時間の節約)という訳です。76歳のマエストロの言葉は説得力があります。しかも、なるべく火に入れたり叩いたりする回数は少ない方がきれいに仕上がるのです。
とはいえ、今日は宴会がメインなので、炉をつけたりとか本格的なことはやりません。先日の大学でのワークショップで作ったものの続き(最後の一仕上げ)です。一見オブジェですが、先端にワインオープナーがついています。ほそーく尖らせた鉄の先端を大きなハンマー1本できれいにくるくる巻き上げます。ちょっとでも自分の手でハンマーを握ったことのある人ならわかりますが、これはひじょうに難しい作業です。感動。
ちなみに、マエストロの家系は代々鍛冶屋で、鍛鉄における、まるで生き字引のような人です。皮エプロンだって特製。まるでチャンピオンベルトのようなエンボスの施された立派な皮のバックルつきです(^o^)。
そう、彼の作り出すものは、紛れもなく鉄(=冷たくて固い)でありながら、鉄ってこんな形にできるんだという、熱(=加工する時の熱さ)というか、パワー(=変形させる力)というか、ねばこさ(=可塑性)というか、ひじょうにダイナミズムを感じさせます。
夕方になり、三々五々、名残惜しそうに皆が帰り始めます。みんなを見送るまで自分は帰らないと言っていたマエストロも、我々一部の人間を残して、とうとう自分の帰る時間がやってきました。逆うるるん滞在記です。いくつか覚えた日本語の1つ「またね!」を連発します。「アウフビーターゼンッ!」空に星が輝き始め、長い夢のような一日が終わりました。
会に参加されましたみなさま、どうもお疲れさまでした(^-^) 。写真をお送りいたしますので、今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m
素敵な体験だったね!逆に元気になって帰ってきたみたい。
このマイスターのおじさん、フォッフォッフォッって笑いそうだ!
2日間ポカリスエットのみという断食のお陰か快調になりました(^-^)/
60年以上もハンマーを握ってるならさぞやごつごつした手だろうと思ったら。逆!!ふんわり柔らかくて暖かい手でした(^-^)。豆がごつごつできてしまうような手はハンマーの握り方が正しくないみたい(驚!)
76歳のマエストロ、これからもお元気でパワーを与えていただきたいですね。
ともえさん、すごいな、頑張って!
今のコメントはYukineからでした。
凄い巨匠との出会いはきっとこれからの作品作りにも活かされるんでしょうね☆それにしても、弟子の方、ホントに25歳?鬚がはえ始めて10年くらいだよね?きっと....貫禄あり過ぎです!!
>Yukineさま
そう、とてもエネルギッシュでした。モニュネントを制作している間も「サッパロー!(←ロは巻き舌)(=叱るときの言葉。「ばかやろー!」みたいな感じ)」を連発していたそうです(^-^)。
>ちまちま☆あさこさま
ヨーロッパの職人さんの世界はちょっぴり特殊です。昔ながらの装束で全国を回る遍歴職人さんがいたり、彼らの作業着もノスタルジックでとても機能的&可愛いの(^-^)。ヒゲも演出の一つなのね、きっと。
ホントだ♪作業着もヨーロッパの映画に出てきそうな可愛い服だわぁ☆なんだか人に夢を与える仕事ですね♪
なんか、可愛いズボンなのです。ジッパーじゃなくて、胸当てみたいに左右にボタンがついてるの。輸入したら絶対売れるわ!(^o^)
いい写真ですね。とってもいい。
ありがとうございます(^-^)
多少でも臨場感が伝われば。