2006年5月3日、水曜日、午前11時すぎ。快晴。暑い。場所は滋賀県高島市マキノ町。とある旅館の別館座敷。友人の運転するワゴン車に乗って登場したのは、じゃじゃーーーーんっ!なんと、アルフレッド・ハーバーマン(Alfred Habermann)氏・75歳です!鍛冶屋界のフランク・シナトラ、三船敏郎、あるいは美空ひばり。日本にいれば、間違いなく人間国宝の、チェコが生んだ偉大なるマエストロ(^-^)。バイキングのような大男を想像していましたが、意外と小柄。160センチくらい。でも、ビールと智恵と技が詰まった(?)巨大なお腹。お髭とくりくりの巻き毛。ロード・オブ・ザ・リングに出てきそうです(^o^)。同行するのは、愛娘・クリスティーナ(25歳)と、ナンバー1弟子・クリストフ(たしか25歳)。クリストフは、顎の下にすでに、もしかして小学生の時から伸ばし始めたの?という仙人のような立派なヒゲをたくわえています。親方・ハーバーマンは13歳だか14歳の時にそのキャリアをスタートし、すでに60年以上の鍛冶屋歴です。25年前に1度来日して、千葉だか東京だかでワークショップをしたのですが、その時すでに巨匠と崇められていたお方です。日本で今すでに大ベテランと呼ばれている方が、そのワークショップに参加して、ハーバーマン氏が(確か)16ミリの角棒を、炉でたった一度赤めただけで、葉っぱを作ってしまうその様子(←ものすごいこと!)を目の当たりにして、ごぉ〜んと衝撃を受けて、鍛冶屋を目指すきっかけになった、とか、そんなエピソードを量産した幻の来日から、すでに四半世紀の月日が流れました。翌々朝には セントレア空港からオーストリー(現在はオーストリアのイブシッツYbbsitzという町に住んでいる)に旅立つという彼らを囲む会であり、お別れ会であり、25年前の同窓会であり、なんと偶然にも76回目のバースデーでもありました。詳しいいきさつは省略しますが、京都の美術大学がプロフェッサー・ハーバーマンを招き、大学で3日間の講義をしました。日本での滞在は約3週間。75歳のマエストロは好奇心旺盛で、右手で上手に箸をあやつり、果敢に日本食に挑戦し、納豆もお気に入りだったそうです(^-^)。もちろん、マスコミからの取材をいくつも受け、何紙かの新聞にも掲載されました。滞在中、1週間かけて1つのモニュメントの制作もしています。ちなみに愛娘・クリちゃんも大槌を振るっています。タイトルはありませんが、テーマは(たぶん)日本とヨーロッパの融合。分厚いフラット・バーを2枚組み合わせ、そのまん中には(彼が生まれたチェコの)ボヘミアで作らせて持参したという、真っ赤なまあるいガラスがはまっています。ガラスは、日の丸(=太陽)であり、日出ずる国・日本であり、2枚のフラット・バーが作る隙間は太陽の通り道であり、神の通り道でもあるという、哲学的で神秘的な深い意味が色々と込められた作品です。そうそう、そういえば、彼は何十年も前に「ヒロシマ」というタイトルで作品を作っています。あ、もひとつ、そういえば。このモニュメントを作る時に、いつものように「Habermann」という刻印をしようとして、刻印を持つマエストロ、大槌を振るうクリストフ。きちんと字が出なくて「もう一度!」と3回くらいやった時、鉄が冷えて固くなって、カーンッと大槌が大きくバウンド。巨大なハンマーがマエストロの右の目の上を直撃、まゆ毛のところがばっくり割れるというハプニングもあったそうです(>_<)。
さて、この、ささやかにして偉大なる宴会に参加したラッキーな人々は総勢20名強。京都、滋賀、岐阜、名古屋、埼玉(とアメリカ、中国)から集まりました。ハーバーマン氏を取り囲み乾杯。マエストロの偉業が次々と明かされます。ヨーロッパでは「鍛鉄会議」と呼ばれる鍛冶屋さんのお祭りが1年中どこかで開かれていますが(その中でもイブシッツのものは最大級。鍛冶屋が600だか700人集い、一般客も2000人以上動員)、その始まりは、実はハーバーマン氏がチェコのとある山の上の古城で4人でやったのが始まりだとか、びっくりエピソードが披露されます。
食事の後は気持ちの良い庭に出て、モニュメントを囲んでハッピーバースデー&撮影会です。ミニチュア兜と美濃焼き湯飲みセットをプレゼント(^-^)。その巨漢の体の頭の上に、ちょこんと小さな兜を 載せて撮影。マエストロは大喜びです。
宴会の後は、せっかくだからと、いよいよ工房に移動です!(^-^)(つづく)
ええっ。
炉でたった一度赤めただけで、葉っぱを作ってしまう・・・ってどいうこと?
魔法??(゚ロ゚;)
そうなのよ、げげっ!でしょ?
ぜひ、ライブで見てみたかったけど、現在はペースメーカーをつけ、杖を常用して(魔法使いみたい(^-^))床に座れず椅子オンリーな生活なので、一人であまりハードなことはしないで弟子たちに打たせる感じでした。
展示会の時はありがとー。
マエストロ、もう外見からしてマエストロ〜だねー。
鍛冶屋が何百人と集まるお祭りはなんかとっても強そうだ!
こちらこそありがとう〜(^-^)
強烈でしょう?鍛冶屋のお祭り(笑)。チャンスがあったらぜひ見に行ってみたいです。
工芸のさかんなヨーロッパもこんな風なお祭り(って、交流会&技術交換なんだけど)やるのは鍛冶の分野だけだって、ちょっと自慢気でした(^-^)。