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 ... 2005年06月08日(水)
恍惚のロマネスク   [美術]
画像(172x180)・拡大画像(615x639)

昨日のつづきです。会場はひどく混雑していたのですが、長身を生かして人垣の後ろからひょいと覗いては、すたすたと歩き回り、みんなと逆回りをしてみたりと縦横無尽な私。そんな中、ひときわ大きなオーラで私を誘惑するいっかくを発見します。あぁこれは紛れもなく私の大好きなロマネスク。12世紀の(おそらく教会に飾られていたのであろう)木彫です。ハリツケにされているキリスト像なのですが、十字架がありません。空気椅子ならぬ空気十字架です。ひょろりと細くまっすぐな足。やはり異常なまでに細長くびょーんとまっすぐにのばされた腕。高さは1メートル強ですが、水平に左右に伸ばされたの両手の中指の距離も同じくらいあります。手の甲も足の甲も、細長い手足をさらに強調するかのようにとても大きい。そして、するりとした顔。とても気持ち良さそうに目をつむっています。これは明らかに恍惚の表情、死を克服した表情です。図録の言葉を借りるならば「すべてを超越したような荘厳さは現実を遠ざけた効果によってさらに強調されている」のです。しばし心奪われて同調する私。頭蓋骨の中でドーパミン(快楽物質)がびしゃびしゃ出ているのが感じられます(笑)。ふぅ。くるりと後ろを振り向くと、そこにはもう一人魅惑の人がいます。聖クリスピニアヌス(中世フランスの木彫)。三脚の椅子に座って靴作りをしている姿です。貧しい人々に靴を無償で与えるために靴作りを学んだのだそうです。なんだかとても良い表情をしていて、私はしばしうっとりと見とれてしまったのでイラストにしてみました。その横には可憐な聖アグネス。まるで観音様のポーズみたいな手の形で本を繰っています。その足元にはヨークシャーテリアみたいにちっちゃな子羊がまとわりついています。彼女の名前(Agnes)はラテン語の子羊(agnus)と関連があるのだって。なるほど。そういえば、こんな一幕もありました。「あれれハンマーだ。」わずか11センチほどの青銅の人形を見逃しません。ウルカヌス???お〜。ギリシャ名ヘファイストス。鍛冶の神様ではありませんか。腕があがりますように(一応お祈り(^-^))。さてと。満足満足。作品のネタもたくさん仕入れたし、すばらしい気分転換になりました。忍ばずの池のところを通って、おでんの屋台を横目に見(、演歌を聞き)ながら帰ってきたのでした。