日曜の朝目覚めると、右手の薬指の先っぽがうずうずする。・・・・蚊だ。初もの、今年一番の蚊。春一番が吹いた時のような感動はない。季節はずれの蚊に刺された時のイライラと、特有のうずうずとした痛がゆい感じである。左手の手首に2カ所、右手の指に3カ所。異常に蚊に刺されやすい私としては、蚊と格闘する日々が幕を開けたかと思うとちょっぴりブルーになる。工房では腰からカトリスをぶらさげる日々である。で、右手をぽりぽりしながら(朝日)新聞をめくる。その日の日曜版の「奇想遺産」は。ん?ボロブドゥール寺院?アンコールワット?違う。白い。「シュバルの理想宮」?あ。どっかで見たことある。どこだっけ。自室の本棚をするりと眺める。あったあった。芸術新潮1993年12月号「特集・現代美術をぶっ飛ばす!病める天才たち」。その下には「驚天動地の視覚世界を描く人たちがここにいる!独学で、あるいは精神を病みながら、人生のすべてを描くことへの衝動に捧げる"芸術家"たち。彼らは異端者か?それとも天才なのか?」えらく劇的なコピーである。パラパラ。あった。「郵便配達夫の宮殿作り一代記 フェルディナン・シュヴァル」。見開きには彼が作った「宮殿」の写真。手前には妻とともに写る彼の姿がある。1912年頃のモノクロ写真である。記事はわずか1ページの1/3段だけ。「類い稀なる、霊媒的な建築ならびに彫刻の巨匠」シュルレアリストのアンドレ・ブルドンにこう絶賛されたそうである。フェルディナンはフランスの片田舎の郵便配達夫。ある日、道ばたで変な形の石につまづき、その石の形に心を奪われる。43歳の時のことである。そこから彼の壮大なプロジェクトXが始まる。1日32キロも歩き回る配達の仕事を終えてから毎晩のように手押し車に石やガラスの破片を積んで持ち帰り、黙々と建築に励む日々。実に完成まで33年である。セメント代だけで6000フラン(ちなみに月収は30フラン)を費やしたそうである。近所の人々はアイツは頭が狂ったと嘲笑していたそうな。それが今や観光客がひっきりなしに訪れる観光名所に。朝日新聞の方にうまいことが書いてあった。彼はヘンな人ではなかった(とても生真面目な人)が、ヘンなことに夢中になってしまった、と。さらに「シュヴァルが石につまづいた時の気持ちを推察するに、石に呼ばれた、と思ったんじゃあるまいか。石が人に声をかけたのだ。シュヴァルはそういう石や草木のささやきを聞き取ることのできる珍しい人だった(by藤森照信)」1969年にはシュルレアリストの支持やアンドレ・マルローの擁護を受けてフランスの重要建築物に指定されたそうである。ちゃ〜ら〜〜ちゃ〜ら〜ら〜ら〜〜ら(←テーマソング)あれ?プロジェクトXがいつの間にか世界遺産になっちゃった(笑)。ちなみに、彼のファミリーネーム、シュヴァルchevalはフランス語の「馬」であります。私はといえば、そのへんてこりんな石の造形にくびったけ。いつか訪れてみたいものである。ちなみに場所はドローム県オートリーブ。http://www.aricie.fr/facteur-cheval/
そういえば。土曜日の朝、工房のトイレの外壁に小さな1匹の虫が張りついているのを発見しました。これは、あの、ベイビー・カマキリちゃんです(たぶん)。先日のわらわら現場から50mほど離れている。体調13ミリほど。2倍に成長していました。なんだか嬉しくなる。お前もがんばれよ!
ぷぷぷ。
これうちの近くだよ。
車でひとっ走り。
さあさあ、来仏の理由がまたひとつ。
いらっしゃーーーい。
でたな、あーにゃ(笑!)(^o^)
そうですか、近くでしたか。
ブルターニュ(半島)やらモン・サン・ミッシェルだの訪問してみたいとこはたくさんあるのですがね(^-^)。